酸性雨による影響

酸性雨による影響はさまざまで、土や湖沼を酸性にすることにより、森を衰退させたり、川や湖沼に住む生物に被害を与えるといった自然への影響のほか、コンクリートの成分のカルシウムを溶かして道路を傷めたり、大理石の彫刻などをとかすなど、建造物や文化遺産への被害ももたらしている。

湖沼などへの影響
 湖や沼に酸性雨が降ることで、そこに生息する生物が減少、または死滅する。「死の湖」とも呼ばれ、生物 が生息できない湖も多い。

森林への影響
 森林に酸性雨が降ることで、森林が枯れ土壌も汚染され、砂漠化する。そこに生息する生物もまた減少 し死滅する。「黒い森」とも呼ばれ、立ち枯れの状態も見られる。

土壌への影響
 土壌に酸性雨が降ることで酸性化し、栄養分が酸と反応して流出してしまい、栄養不足の土壌になり成長 が止まったり、収穫物が減少して被害がでる。

地下水への影響
 地下水に酸性雨が流れ込むことによって、普段私たちが飲んでいる水が汚染される。さらに、その汚染さ  れた水を飲むことによって、さまざまな病気を引き起こす。

赤潮への影響
 海に酸性雨が降ることによって、大量の有害プランクトンが発生する。また、海の生物も減少、死滅する。 さらに私たちが食べている魚なども汚染され、食べることによってさまざまな病気を引き起こす。

水生生物への影響
 海や川・湖沼などに酸性雨が降ることで、水生生物は生息できない状態となり、産卵できない状態になる。 他には、異常な遺伝子ができることで、雌雄同体などの異常生物の増加などがある。 

歴史的建造物への影響
 酸性雨はコンクリートや大理石の床、さらには歴史的建造物などである彫刻や銅の屋根までも溶かしており 、銅像にはサビを発生させる。

人体への影響
 酸性雨による人体への影響は、目や喉、鼻や皮膚を刺激したり、髪の色を緑色に変色させたりする。金属 は酸に溶け出しやすいので、土壌に固定などで使われているアルミニウムなどを酸性雨が溶かしてしまい ます。溶け出した物質が、河川や海などに溶け出すことによって、飲料水などに混ざり、アルミニウムなどの 化学物質が、私たちの体に蓄積することによって、アルツハイマー病などの病気の原因のひとつになって  います。